
○○税務署長 殿
???????? 法人6部門 ○○ 様 気付
(有)○○○の○○○氏への債権にかかる無利息の理由について
○○氏本人による(有)○○○への経済的利益の供与について、本人からの具体的行動、活動の内容は本人の手控え、メモ等を中心としており、本人作成による資料の作成が遅れたこと、当該資料に加え、あるいは表現仕切れていない、出来ない部分があるのかなど、出来るだけの確認をとっていた結果、さらに遅れましたことお詫びいたします。
以下、その内容、無利息貸付けにかかる経済的合理性に関して、本職の意見、見解を記述しますが、文章の冗長化を避けるため、である体での表現になりますことをご容赦ください。
税理士法人アグス
代表社員 千葉寛樹
同案件訴訟にかかる判決等はかなり多く、個々の事件そのものの結果は兎も角として、司法判断の際に示される基本的判断のベースはほぼ同一のものである。
以下、幾つかの争訟からその判旨部分を抜粋して、無利息であることが必ず利息認定を優先して行わなければならないことではないことを主張したい。
昭和四七年(行コ)第四二号法人税額更正決定取消等請求控訴事件
判決 (昭和五三年三月三〇日)
判旨中
(二) 金銭の無利息貸付がなされた場合、貸主はもとより利息相当額の金銭あるいは利息債券を取得するわけではないから、それにもかかわらず貸主に利息相当額の収益があつたというためには、貸主に何らかの形でのこれに見合う経済的利益の享受があつたことが認識しうるのでなければならない。
ところで、金銭(元本)は、企業内で利用されることによる生産力を有するものであるから、これを保有するものは、これについて生ずる通常の果実相当額の利益をも享受しているものといいうるところ、右金銭(元本)がこれを保有する企業の内部において利用されているかぎりにおいては、右果実相当額の利益は、右利用により高められた企業の全体の利益に包含されて独立の収益としては認識されないけれども、これを他人に貸付けた場合には、借主の方においてこれを利用しうる期間内における右果実相当額の利益を享受しうるに至るのであるから、ここに、貸主から借主への右利益の移転があつたものと考えられる。そして、
金銭(元本)の貸付けにあたり、利息を徴するか否か、また、その利率をいかにするかは、私的自治に委ねられている事柄ではあるけれども、金銭(元本)を保有する者が、自らこれを利用することを必要としない場合、少くとも銀行等の金融機関に預金することによりその果実相当額の利益をその利息の限度で確保するという手段が存在することを考えれば、営利を目的とする法人にあつては、何らの合理的な経済目的も存しないのに、無償で右果実相当額の利益を他に移転するということは、通常あり得ないことである。したがつて、営利法人が金銭(元本)を無利息の約定で他に貸付けた場合には、借主からこれと対価的意義を有するものと認められる経済的利益の供与を受けているか、あるいは、他に当該営利法人がこれを受けることなく右果実相当額の利益を手離すことを首肯するに足りる何らかの合理的な経済目的その他の事情が存する場合でないかぎり、
当該貸付がなされる場合にその当事者間で通常ありうべき利率による金銭相当額の経済的利益が借主に移転したものとして顕在化したといいうるのであり、右利率による金銭相当額の経済的利益が無償で借主に提供されたものとしてこれが当該法人の収益として認識されることになるのである。
昭和41年(行ウ)第1号、昭和42年(行ウ)
第2号法人税額更正決定取消等請求併合事件
判旨中
2.そこで、本件第1、第2処分により、本件無利息融資における利息相当額につき、これを寄付金と認定し、その寄付金損金不算入額に対して課税したことの適法性につき判断する。
(1) そもそも、原告は訴外会社に対し無利息の約定で本件融資を行なったのである
から、私法上の効力としては、訴外会社に対する利息債権が発生していないことは明
らかである。したがって、右私法上の効力をそのまま税法上も是認する時は、原告は
訴外会社から法人税法所定の益金となるべき収益を得ていないのであるから、利息相
当額につき課税する余地はない筈のものである。
しかしながら、原告が本件融資をするにあたり無利息としたことが、私法上許され た法形式を濫用することにより、租税負担を不当に回避しまたは軽減することが企図 されている場合、あるいはこれを意図したものでないとしても、無利息とすることが 経済的合理性を全く無視したものであると認められる様な場合には、実質的にみて租 税負担の公平の原則に反する結果になるから、右無利息融資行為をいわゆる租税回避 行為として、税法上相対的に否認して本来の実情に適合すべき法形式の行為に引き直 して、その結果に基づいて課税しうるものと解すべきである。 したがって、本件第1、第2処分により本件無利息融資における利息相当額につき 課税したことが適法とされるためには、本件無利息融資が右租税回避行為にあたると いうことが、まず認定されなければならず、租税回避行為にあたるということが認め られた場合にはじめて利息相当額につき課税する手段として、本件第1、第2処分の 様に利息相当額を寄付金と認定し、寄付金損金不算入額を所得金額に計上することの 当否が検討されることになる。
控訴会社がその貸付金を無利息とした行為は、控訴会社の業務の運営として当を得た措置であつたか否かはともかくとして、控訴会社と右証券業者間の無利息の約定の私法上の効力を否定することはできない。しかして法人税法上課税標準の計算の基礎となる益金とは、法令に別段の定めあるもののほか、資本の払込以外において純資産の増加となるべき事実をいい、右純資産の増加となるべき事実に該るか否かについては、法人税法に特別の定めある場合のほか、私法上の概念を前提としているものと解すべきであるから、当初から利息債権を取得していない控訴会社の課税標準の計算上これを益金に加算することは許されない筋合である。
以上、多くの司法判断で基本的に採用している判断基準を3件抜粋したが、いずれも私法上の取引として、利息計上が無条件に先行するのではなく、租税回避行為等がない限りは、元本の果実に相当する、あるいはそれ以上の経済的合理性ある見返りがある場合は、無利息の妥当性を認める立場を採用している。
本職は、本件に限らずこれら司法の基本的判断を以て無利息たり得るか否か、を判断している。
また、本件の無利息貸付には、そもそも利息計上が予定される債権か否か、という観点もあり、以下、個別に検討を行う。
別添資料にあるように、車両の売却代金であり、本来は支払方法、期限の定めを置くべきであるが、売買の成立のみの記載内容になっており、当初からの金銭消費貸借契約ではなく、支払期日の指定もないので遅延利息の発生もない。
このことから、私法上は当然に売買代金に利息計上という性格のものではなく、支払が滞っているというだけでは利息認定の根拠たり得ない。
別添資料では契約書表示は金銭消費貸借契約書となっているが、殊更利息は付かない、と三、にあるのは以下の事情による。
1.もともと、○○○○○○ところで何らかの収入を得ることは 生活維持上必要なことであり、○○○氏と協議の上、何らかの安定的な事業展開を用意 する必要があると合意してその事業への出資金としての認識から出捐したものであった ので、当然に利息は付さないこととしたものである。
2.しかしながら、○○氏の奔走も功を奏さず、結局は新事業起ち上げに至らないまま現在 に至っており、その資金回収も目途がたたないことから金銭消費契約書の形で金員出捐 の事実を明らかにするために作成したものである。
これは、○○氏が関連してる北海道○○○町の○○○○であるが(株主、役員には入 っていない)、当該○○の運転資金等として、いわゆる時貸しとして、数ヶ月後の返済 を約して依頼に応じて貸し付けたものである。数ヶ月後には完済と言うことで、特に契 約書等は作成していない。
この資金については、その後も幾度かの請求にも関わらず、現在まで返済されておら ず、単純に金銭消費貸借契約と認められので、現進行年度で契約書の作成、金利の決定 など○○氏との接触、合意を図っている最中である。
以上、債権の中身が一様ではなく、単純に○○○氏に対する債権だからといって利息計上が全て妥当するものではないという法的性格の一面も思慮されるべきと判断する。
○○税務署に平成15年12月4日付けで提出した文書にもあるように、両者は古くから極めて緊密かつ友好的関係にある。
添付した○○氏作成の文書内容にかかる○○○○への○○ー随行や毎年の合宿設営等は、全て○○氏の自費で出捐されており、(有)○○○への請求等の実態は調査対象年度では存在しない。 また、○○○○。 この辺りの詳細は本人作成の別添資料にもその詳細は記載出来ない部分が相当あるとのことであった。
さらに、○○○○○としての国内メーカー等との直接交渉、○○○との契約など、直接、間接に大きな立場と行動を示したことも大きな経済的効果を生んでいる。
例えば、○○○との契約は専門のエージェントが前面にでて、数千万円単位の成功報酬の請求、支払があるが、エージェントと共に○○○ジャパンと深く関わった○○氏本人からは何の請求も、支払の事実もなかった。
仮に、○○○との交渉や他のエージェントとの契約成立、そして別添の○○同行による各種アドバイス、交友関係の調整などが正規のマネージメント料的に請求されると、債権元本を超えるような水準であることは、この業界の常識である。
この点だけに限らず、様々な側面で、本職との個別相談や弁護士との打合せなど、直接(有)○○○に関わる事項についても、○○氏から個別請求などは同社にしておらず、結果的に年数%の金利調達などを遙かに超える同社への経済的利益をもたらせている。
よって、○○氏への債権だからといって、ことさら利息を徴収する意思、行為を行って、その後の関係悪化に至る可能性の悪弊と、現に受けている経済的利益との比較衡量からも、無利息であることの経済的合理性は確保されている。
なお、前記2.の(3)については、単純な金銭消費貸借であり、自ずと他2件とは性格が異なる債権と認識されるので、前述の様に進行年度内に決着を図れるよう、調整中である。
以上、本職の知り得る範囲以外でも有形無形の経済的利益があるものと推測されるが、通達上の利率認定を遙かに超える○○○氏からの経済的利益(金額測定は不可能であるが)があるので、無利息であることに十分な経済的合理性があるものと判断します。
平成19年6月21日